family’s diary

主人が約12年前に他界、在学中の子ども達3人の現役シングルママです。子どもの事、家族の事を主に綴ります。

主人と死別して、ひとり親になって。~2か月

Episode3

主人が亡くなり、ひとり親になってしまっても、当然ですが今までと同じく時間は流れていきます。

この辺りから、だいぶ違った角度で世の中が見えてきます。

 

悲しいのに、辛いのに、ずっとふさぎ込んでいる訳にもいかず、そして子ども達もいるので、倒れて寝込んでいる訳にもいかず、気持ちの整理なんて当然できず。。。

 

何でこんなことになってしまったんだろうと、行き場のない想いが、日々心の中でぐるぐると渦巻きます。

 

亡くなった直後は、葬儀や、各種手続きなど、怒涛のようにやるべきことが目の前に現れ、ただひとつずつ淡々と処理をする日々でしたが、1か月も過ぎてきたころから、別の意味で驚く事、泣く事が次々と出てきます。

 

本人の事

結婚まで約6年、それから約10年、それまでそこそこ長く主人とは時間を共にしてきました。

思い出も、もちろん沢山あります。

 

出逢った日の事、お付き合いをしていたころの事、ケンカした事、結婚した事、子どもが産まれた日の事…私は主人の事を、たぶん一番よく理解して分かっている人間だと思っていました。

 

しかしそれは、この頃から奇しくも崩れ始めます。

 

彼は本当に突然逝ってしまいました、本人も全くそんな気もなかったはずです。

ですから当然すべてを私と子どもに残したわけですが、そこには見たくなかったもの、知りたくなかったものも沢山含まれていました。

 

また彼は個人事業を営んでいたため、そちらの方でも、次々と問題が発生していきました。

こんな問題が発生するのは、我が家だけの場合かもしれませんが、最近思うのは、死因はケースバイケースで、それぞれの死別ひとり親家庭で、また違った苦労があるだろうということ。

 

死因が仮に、病気だったとしても、長く入院したのかとか、突然だったのかとか、事故でもそうですし、また、最近すっかり感染症で毎日が脅かされる世の中になってしまってからは、悲しくも自死のニュースもよく耳にします。

 

実際Twitter上など、SNS上でも、その苦しみを訴える家族の苦しい気持ちを、日々目にします。

私もまだまた苦しいけれど、他にも同じ状況でありながら、また違った問題を抱えている家族がいるかもしれない…そう思うと、私も胸が苦しくなります。

 

そしてそこには、小さな隠し事から、ちょっとした悪気のないウソ、知りたくなかった事実、そして私にとっては大きな裏切りと思えるものまで、、、私は本当の彼の全てを目にすることになるのです。

 

お金の事

 我が家の場合は、特に稀なケースだっと思います。

彼の仕事が個人事業主で、従業員も数名いた為、通帳など基本的にはすべて個人名義となっていました。

 

その為、それまで実際の生活での使用口座や、会計は仕事とは全て別だったものの、ここでお金がぐちゃぐちゃに混ざってしまう事態となりました。

 

事業の借り入れも残っており、個人で返済するか、相続放棄をするか、大きな選択をしなければならないかも、と言った状況にも陥りました。

 

お返しするもの(事業資金など)、支払いが残っているもの(カード・ローン・給与・税金など)、請求をしなければいけないもの、これからの生活費、学費、

もう何が何だか分からない状態になってしまい、またそのタイミングも、支払いは先、入金は後のような構図となるので、今まで子ども達を思って貯めてきたものも、一度全てリセットする事になってしまいました。

 

そして、何とか全てを片付け終わったころ、この事業は義家族に奪われてしまったのです。

 

人間関係

主人の仕事でも、プライベートでも、大きな変化がありました。

 

プライベートでは、ひとり親になったことで、多くの人が去っていったように感じました。

『腫れ物に触る』とでも、言うのでしょうか?

 

それまでやたら近づいてきていた人たちからは、全く声をかけられなくなりましたし、声をかけてくれた人にも2パターンあり、

本当に心に寄り添おうと思ってくれた人と、興味本位で覗きにきた感じの人がいたように感じました。

 

幸か不幸か、当時まだガラケー時代で、SNSもそれほどではなかった事、今は嫌な事などをスマホから知ってしまう事もあるかとは思いますが、そういう状況はなかったので、単に孤独になるだけで、逆に変に精神を犯されると言った事はありませんでした。

 

一方残された仕事の方は、私一人では当然手が回らず、一旦子ども達が大きくなるまでの約束と言うことで、義家族の手を借りることになったのですが、

やはり辞めてしまったスタッフもいて、私はほぼ無休で、半年以上昼夜を問わず働くことになりました。

 

そして中には、借用書の存在がないにも関わらず、主人にお金を貸したと、脅迫してくる人まで現れました。

ただでさえ弱っている人に、執拗に返済を迫り、半ば強引にお金を奪っていく人まで現れました。

その人は、某有名私立小学校から大学まで通い、お空を飛ぶ仕事をしていたという、また地主の娘だと言う、主人とは同級生の女性であったから驚きですが。

 

また良くある事ではありますが、主人と交際していると言う女性まで現れました。

これに関しては、その後裁判にまで発展しましたので、また別記します。

 

主人の育った家庭

いったいどんな家庭で主人は育ったのでしょう。

一般的には上流の方の教育を受け、人に羨ましく思われる様な家庭であったと思いますが、本当は凄まじく"人間愛"の欠乏した、見栄ばかりなさみしい家庭だったのだと、今は確信しています。

 

そんな主人は大人になって、家族を設けたのに十分な愛情を注げず、その分仕事は頑張ったのかもしれませんが、どこか自分には甘く、本当に自分勝手な人でもありました。

 

一緒に生活をしていた頃は、子ども達も小さく、私もそこまで深く考える余裕がありませんでしたが、

こうして勝手に独りで逝ってしまい、家庭も、子ども達の事も、仕事も、全て私一人に押し付け、こんなに時間が過ぎた今でも辛い思いをしている私たちを、今どう見ているのか、

もし魂がどこかに残っているのであれば、本当に一度聴いてみたいかぎりです。

 

『よく子どもが3人いてよかったね。』と言う人がいますが、正直なところ、だから苦労しているのか、そうでないのか、未だ分からない毎日を私自身も送っています。

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子ども達の誰かが描いたもの