family’s diary

主人が約12年前に他界、在学中の子ども達3人の現役シングルママです。子どもの事、家族の事を主に綴ります。

主人と死別して、ひとり親になって。2か月~

Episode4

全く望まない形で、私は3人の子どもを持つひとり親家庭の母となり、世の中も一瞬にして一変してしまった我が家。

 

亡くなった直後とはまた違った悲しみにも気づき始め、相変わらず涙が止まる事はありません。

 

今後本当の意味で、私たちを守ってくれる人はもう世の中にはいないのです。

それなのに、私はこの先もずっと子ども達を、ひとりで守っていかなければならなくなってしまい、もうその重みに耐えられなくなってしまいそうでした。

 

『子ども達がみんな小学校に入ったら』、『成人したら』、『無事に巣立っていったら』・・・

何となく考えていた将来への希望も、夢も、全て崩れ去っていきます。

 

主人の死は、これと言った大きな理由はなく、私のこの気持ちをぶつける場所はどこにもありません。

何故?と毎日自問するしかありませんでした。

泣いても泣いても、ずっと気持ちは堂々巡りのままです。

 

そしてどんどん心が疲弊していきます。

夫が夢に出てきて、そこで私が『生きててよかったね。』と話しかけるシーンや、私が死んでいたと言うシーンも何回も見ました。

 

実際に、

『私が代わりに死んでいたら、子ども達は金銭面でも苦労しなくていいのかな?』

『新しい若いお母さんが来てくれて、幸せになれるかな?』

とか、そんな暗示のような思いを持ってしまった事も何度もありました。

 

不思議な出来事

もともと私自身、特に霊感みたいなものは何もなく、それまで何か不思議な体験をしたことは、一度もなかったのですが、
主人が亡くなった直後に、1度だけ、普通ではありえない経験をしました。

 

彼の遺体は、運び込まれた救急病院から、”突然死”と言うことで警察に運ばれ、事件性が無いことが警察と医師によって確認され、自宅に戻ってきました。

 

私も警察署で、一連の事情を聞かれた気がします。

(主人が自宅に戻ってきてからか、その前だったか定かではありませんが、警察が主人の部屋の写真を何枚か撮影したり、状況を確認したと記憶しています。)

 

そしてその当日だったか、次の日だったかも覚えていないのですが、彼が自宅に戻ってきて、リビングに寝かされ、夜になり…

その場には、私の母、次女、私の3人。

 

リビングには、上の階に繋がる階段があったのですが、私がちょうど入浴しようと思っていたちょうどその時、

『ギーギーギー』と、まるで誰かが階段を上がっていく様な、木がきしむような音が5回くらい聞こえたのです。

 

その場にいた3人とも確かに聞いていて、一斉にそちらを振り向いたのですが、姿の様なものはなく。。。

 

明らかにその音は、階段を昇っていく際の足音の様なものであったのと、階段も確かに木製ではあったのですが、

実はその階段、通常は、昇り降りで音がする事はないのです。

 

例えて言うと、とても古い木造の家の階段を昇るときに、発生するのではないかと言った感じの音で、

特に怖いと感じるような音ではなかったのですが、その時が最初で最後、まるで主人がどこかに去っていったかのような、そんな不思議な出来事でした。

 

家庭の事

母が家に寝泊まりしてくれていた事、これには本当に救われましたし、心から感謝しました。

 

こんな状況下で、何とか倒れずにいられたこと、子ども達が通常通り学校に行かれたことは、全て私の両親のおかげです。

  

子ども達への想い

もちろん何の覚悟もなく、訳も分からないままひとり親になったわけです。

ひとり親がどんなものなのか、どんな制度が受けられるのか、私にはすぐには理解する余裕すらありませんでした。

 

役所では子ども担当の部署があり、そこで手続きをするので、漏れなどはないはずなのですが、そこは一般的な事務手続きをしてくれるだけの場所です。

 

実際はお金の事、子育ての事、仕事の事、いっぱい不安はあるのに、当然そこには、相談相手も、アドバイスをしてくれる人もいません。

 

もしかしたら、奨学金とか、支援団体とか、あるかも?など、色々考えましたが、誰も教えてくれません。

 

確かに死別ひとり親家庭を経験した人なんて、この世の中ではマイノリティで、そこまで手厚くアドバイスをしてもらいたいなんて思う方が、厚かましいのかもしれませんし、

またもし、実際に経験してない人に、何かのアドバイスをされたとしても、捻くれた私は、どこか心の中で反発心を持ってしまうかもしれません。

 

とにかく、

『もう誰も助けてくれる人はいないんだ。』と、

心の中で繰り返し思いながら、結局はひとりで情報を収集するしか手段はありませんでした。

 

そして、PCに向かい、調べてみます。

何か子ども達のために、有益な情報とかはないかと。

『死別ひとり親』『死別シングルマザー』『死別 奨学金』『死別 子ども』…

 

でも当時、私が実際にそういう状況になり、本当に必要だと思った情報はほぼ何も見つかりませんでした。

 

改めて思ってのは、『ひとり親って生きづらい世界なんだな。』と。

 

ただでさえずっと不安な気持ちでいるのに、自分がやっていることがあっているのか、今後何をどうしたら良いのかも分からず、この頃は既に迷子状態でした。

 

そして、実は約12年過ぎた今でも、この気持ちは私の中でずっと続いています。

 

子ども達もある程度成長してきて、少しは状況も変わりましたが、

やっぱり両親が揃っているお家と同じようにはいかなかった事ばかりで、

ひとり親になってしまったことで、子ども達にしてあげられたことは、確実に半減したに違いありません。

 

そしてまた改めて、行き場のない想いが、今日も心の中を巡ります。

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小学校で育てたアサガオ